蜃気楼の女
第2章 魔性の女・安田尚子
「これ以上の関係はきみが大人になるまで待つよ」
うかれていた児玉は尚子が好きだったから、大切な尚子と、ゆっくり愛を築けたらと願った。そんな気持ちを抱いた児玉だったが、毎日、部屋にこもって勉強していたことで、二人は一種のノイローゼ状態になり始めた。毎日こもって勉強する隔離された空間、二人の精神状態が、尚子の、生まれながらの悪魔の超能力に刺激を与え、増強させた。
「進ちゃんってさ、尚子のファーストキスを捧げた男だから…… あたしの処女もあげるからね…… あたしの中に精液をいっぱい出してね。だから、セックスする女はあたしだけにしてね、進ちゃん…… 約束だよ……」
異常心理状態になっていた尚子は児玉と二人きりになると、日常決して考えもしない淫らな言葉を投げかけ、児玉に「将来、あたしを抱いてほしい」と、遠回しに言った。児玉は好奇心旺盛の思春期の興味から出た冗談と思い、笑ってやり過ごした。3年間尚子から言われる「将来、セックスしよう」が呪文のように、毎日、二人の会話の中で、何回となく、繰り返された。その秘密の合い言葉が、尚子のふるさとアラビアーナ国の古くからある経典と重なり、尚子を魔性の女に導いた。「将来、セックスしよう」が呪文のごとく、尚子の脳に深く刻み込まれていった。
「分かったよ、尚ちゃんが大人になったらね……」
進一が尚子に笑いながら返す言葉。尚子ばかりではなく、進一が発する言葉も呪文となり、悪魔の超能力を同調、増幅させた。やがて、それが進一の持っていた深層に巣くっていた魔性の超能力をも引き出し始める。進一と尚子は、互いの性欲が、互いの魔性の超能力を引き上げていった。
二人は東大受験日の前日、魔性の超能力を最大限に刺激し、魔性力が開眼した。
うかれていた児玉は尚子が好きだったから、大切な尚子と、ゆっくり愛を築けたらと願った。そんな気持ちを抱いた児玉だったが、毎日、部屋にこもって勉強していたことで、二人は一種のノイローゼ状態になり始めた。毎日こもって勉強する隔離された空間、二人の精神状態が、尚子の、生まれながらの悪魔の超能力に刺激を与え、増強させた。
「進ちゃんってさ、尚子のファーストキスを捧げた男だから…… あたしの処女もあげるからね…… あたしの中に精液をいっぱい出してね。だから、セックスする女はあたしだけにしてね、進ちゃん…… 約束だよ……」
異常心理状態になっていた尚子は児玉と二人きりになると、日常決して考えもしない淫らな言葉を投げかけ、児玉に「将来、あたしを抱いてほしい」と、遠回しに言った。児玉は好奇心旺盛の思春期の興味から出た冗談と思い、笑ってやり過ごした。3年間尚子から言われる「将来、セックスしよう」が呪文のように、毎日、二人の会話の中で、何回となく、繰り返された。その秘密の合い言葉が、尚子のふるさとアラビアーナ国の古くからある経典と重なり、尚子を魔性の女に導いた。「将来、セックスしよう」が呪文のごとく、尚子の脳に深く刻み込まれていった。
「分かったよ、尚ちゃんが大人になったらね……」
進一が尚子に笑いながら返す言葉。尚子ばかりではなく、進一が発する言葉も呪文となり、悪魔の超能力を同調、増幅させた。やがて、それが進一の持っていた深層に巣くっていた魔性の超能力をも引き出し始める。進一と尚子は、互いの性欲が、互いの魔性の超能力を引き上げていった。
二人は東大受験日の前日、魔性の超能力を最大限に刺激し、魔性力が開眼した。