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　老齢化した肉体を持った平八郎が天国へ旅たち、再生した平八郎が活動を開始してから一週間が過ぎた。そして、学園長席には、30代の肉体になった平八郎がいた。櫻子にはおじいさんよりは若いな、という印象である。尚子が再生したと言うが、なぜに20代ではないのか、疑問を抱く。
「こんにちは、櫻子さん」
　櫻子は平八郎の容姿を見入った。
「櫻子、あんたが驚いている顔はそそるな」
　平八郎は笑いながら、櫻子のそばに近づいてきた。櫻子は「あんたいつの間にかあたしを呼び捨てかい？」と思っていたら、櫻子の前まで来ると、両肩に手を置くと、力強く引き寄せられて、いきなり、キスをされた。あれほどお障りをじらしていたのに、櫻子は好みのイケメン男に、あがなうことができなくて、乙女のように、目をつむってなされるままになってしまった。強烈なキスに腰が抜けて平八郎に支えられていた。
「全然、今までの平八郎じゃないよ、どうなってるの？　あああ、あ……」
　櫻子は口を塞がれ、唇から受ける平八郎の舌使いの心地よさに、平八郎の胸に抱かれながら、つい、よがってしまった。
「どう？　若返った俺の体はどのパーツもピカイチ、カチカチだ。あそこも。今夜、あんたと、めくるめく、楽しい時間を過ごそう！」
　櫻子は野性的な平八郎の言葉に、以前とは違うギャップに驚いてめまいを感じてしまうほどだ。平八郎は若返り活力にみなぎっていた。信じられない。老いてしまった肉体では、味うことができないと思っていた喜びが、突然、プレゼントされた。それも今夜にでもそれがプレゼントされる。
　しかし、細かいことを気にしない櫻子であった。どうして平八郎が若くなれたのか、別人のような言葉使いに何の疑問も抱かない脳天気な、女だった。ただ、今夜、櫻子は女の喜びを与えてくれるであろうという期待で、頭はいっぱいいっぱいになっていた。
「ああ、平八さん、別人、別人格になった、すごいよ、平八さん……へえ、あそこ、カチカチなんだ、きっと、すごいんだね、どんだけすごいんだかなぁ」
　櫻子はもう待ちきれなくない気持ちだった。