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蜃気楼の女

第30章 尚子と橋本の決意

 橋本は尚子の顔を見ながら、何も言わず、目を閉じた。尚子は寝ている橋本のシャツのボタンを上から1個ずつ外していった。橋本の筋肉質の胸が現れた。尚子は橋本の盛り上がった大胸筋に唇を付けた。そのまま、胸を舌の先を使ってゆっくり円を描くように移動させて下腹部まで到達した。
「おじさん、このまま、じっとしていて。再生細胞は体の中で増殖中だから安静にしていてね」
「おおおぃ…… そんなことされたら、安静ではいられないぞ……俺だって男だからな……」
「大丈夫よ、あたしがすぐしずめてあげるわ……」
 尚子は橋本のズボンのベルトを慣れない手つきでやっと外した。震える手でファスナーを下ろし、盛り上がっているブリーフの端を両手でつかむと、目を細めて、下にゆっくり下ろした。橋本の起立した性器が目の前にあった。とても神々しいほど輝いていた。夢にまで見ていた性器を間近で凝視した。尚子はかつて自室から進一の部屋を透視して、進一にズボンを下ろさせ、性器を見たことがあった。ほとんど好奇心からだった。それ以来、進一以外の男の性器を見るのは、初めてだった。それも進一のように遠くから透視していたのとは比べようもなく、リアルで間近に見ている。尚子の手は小刻みに震えていた。
「おじさん、やっぱり、あたしがおじさんのを見ている姿を、見てほしい…… こんなことをするエッチなありのままのあたしを見てほしいな…… そして、こんな破廉恥な行為をさげすんで、いじめてほしい……」
 声を震わせ、鼻声になっている尚子から言われ、橋本は目を開けた。顔を枕から持ち上げ、両肩も床から持ち上げて上半身を浮かすと、そのまま、起き上がった。橋本の鍛え抜かれた腹筋が隆起した。腹筋と同じに、性器もさらにくびれの輪郭をあらわにした。その性器の先端が、間近に見ていた尚子の唇に触れた。

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