テキストサイズ

蜃気楼の女

第35章 現代の安田邸

 しかし、いつもと同じ事を進一からしてもらえると聞いた尚子は、恥ずかしいのに、うれしかったが、それを隠すように、何度も首を左右に振った。
(やはり、本人を目の前にして、さすがに恥ずかしいなぁー)
 と、思うが、毎日のように、進一にしてもらいたいと願いながら、全裸になって、ドールと戯れていた尚子は、拒めない。
 けれど、人形としていることを、すぐそばにいる本人に、すぐにでも、してほしい、と願った。
「ほら、早くしろ、その人形をいつもどう使ってるんだぁ?」
「…… わ、分かったわ、進ちゃん」
(進ちゃんは、こういうシチュエーションが好きだったんだぁー 嫌いかなぁと思って、今まで、我慢してきたの、何だったんだろ?)
 心の中でそう思った尚子は、着ていた白のワンピースのボタンを自分で首元から外していく。二つ目のボタン外すと、色白の適度に膨らんだ濃紺色の生地のブラジャーに包まれたたわわな乳房が現れた。進一は目が点になるほど、乳房を見つめた。尚子の胸は、女学園時代の貧乳とはまるで違っていた。布地が小さくて、乳首を隠すだけの妖艶な濃紺色のブラジャーが、豊満な透き通るような白い肌を持った柔肉を包んでいた。
 尚子は震える指で、下腹部の最後のボタンを外すと、濃紺色のパンティーが現れた。これも生地が少なくて細い布が茂みをかろうじて隠すだけの大きさだ。
 それを見つめていた進一は、尚子に近づくと、肩に手を乗せ、尚子のワンピースをつまみ上げると、そっと外へ広げていく。それに驚いた尚子が腕を胸に引き寄せ肌を隠した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ