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蜃気楼の女

第9章 蜃気楼の国

「ほら、今度はあたしの番よ」
 アーイシャは安田の顔の上にまたがり、ビショビショにあふれている穴の入り口を安田の口に押しつけた。
「さあ、喉が渇いたでしょ? あたしの蜜でたっぷり、潤してあげるわ」
 安田は目をつぶりながら舌を伸ばし、アーイシャから滴って出る密をすくった。
「ああ、なんて甘さだ…… まさに蜜だ」
 彼女たちの発する性エネルギーを吸収した安田の性器はさらに怒張し大きさを増した。

 散々にいたぶられた安田とナルミは、女たちに両腕をつかまれながら、蜃気楼の宮殿に連れて行かれた。宮殿とはいっても岩肌をくり抜いて造られているだけの洞窟である。二人は両手首、両足首を植物のつるで縛られていた。そんな悲惨な拘束状態であるにも関わらず、安田の中心はいつでも射精してしまいそうなくらいにたけ狂っていた。運ばれる最中、体を支えている女たちは素っ裸、二つのたわわな乳房を揺らしながら、時計の振り子のように安田の胸に時々押しつけた。安田の腕と足に触れる女たちからの小さな刺激は、安田の生殖本能がたきつけら興奮させられた。運んでいる女たちも安田の光り輝く怒張した性器を気にして盗み見た。女たちは自分の穴に差し入れられた安田の怒張した肉棒で、自分の内臓の壁がえぐられたときの快楽を想像すると、蜜がたちまたちのうちに穴の奥から泉のごとくあふれ出てくる。股の穴から湧き出て止まないおびただしい滴が点々と廊下に、女たちの期待の痕跡として記された。女たちは安田の肉棒を見て、乙女のように不安になり、自分が初めて味わうことになる、この男の肉棒で昇天させられる絶頂感を想像した。安田の運搬中、彼女たちの脳裏には、興味と興奮と欲望が交錯した。異質な男に踏み荒らされることのなかった肉体を犯される。彼女たちの純粋な体に侵入し、その快感が純粋な心を侵略してくる。その汚されるという羞恥心が、やがて、喜びに変化させられる。女たちは安田を運びながら乳房やら、乳首やらを安田の体に無造作を装って押し当て、安田に自分たちの雌の完成した欠陥のない均整の取れた姿態を強調し、自分の体に差し入れたいという衝動を起こさせるように仕掛けた。安田はその女たちのチクチクする抗争を感じることなく、ただただ、安田の体と心はいきり立った。肉棒の先端からは透明な汁がにじみ出ていて根元に垂れていた。

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