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蜃気楼の女

第9章 蜃気楼の国

「アアアーー 苦しい、早く出したい…… 」
 戸板に縛られた安田は、気を紛らわせるように首を右左に振りながら洞窟の通路を運ばれていった。薄暗くひんやりとする空気の中、安田は長い時間、運ばれた。随分大きな洞窟である。不思議なことに洞窟なのに明るい。松明(たいまつ)をたいているでもない。照明らしいものはない。長い時間、揺れていた戸板がやっと静かになり、水平を保った。戸板を置くと、取り巻きの女たちは部屋を出て行った。
「さあ、着いたわ。ここはあたしのプライベートルームよ。いい? 足の拘束は解くけど、ここから逃げてもこの世界からは絶対逃げることはできないわ、ここから逃げないと約束して」
 そう言ったアーイシャは安田が首を縦に振って約束したのを確認すると、横たわっていた安田の足首に巻かれているつるを手を使ってほどいた。
「この世界には文明が入る余地はないけど、それ相応にうまく暮らしている。気温は快適に維持され、病気もないわ。でも、大切なあなたの体を守ってあげるね…… 」
 アーイシャが葉っぱで作られた20センチメートルほどの長さの筒を安田の性器の先端からゆっくり被せていく。根元までくるまれると、筒の端に付いていたひもを腰に回し縛った。
「サイズはぴったりね、良かったわ。こうしておかないと、すぐにここの女たちにくわえられてしまうからね…… フフフ」
 そう言いいながら安田の葉っぱでくるまれた性器に頬を付けてから優しくキスをした。
「ずっと大きいままね、ねえ、1回、出したい? 」
 そう言って、アーイシャは両膝を広げて、股間を見せた。股間には長さ10センチメートルほどの葉っぱが覆っていた。葉っぱを上につまんで持ち上げた。ただのペラペラの葉っぱである。葉っぱを陰部の前にあてがい、前に付いたひもを腰の後ろで結んだだけだ。実に簡易な無意味な葉っぱでしかない。
「さあ、ここに入れて出すといいわ」

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