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ヌードモデルの思い出の温泉

第1章 もう一度、旅行

いっぽう、私は着替えを指示されていた。

言われなくても、下着の痕を残すわけにはいかないから、すぐに脱ぐつもりだった。

今は14時30分。

普通の客のチェックアウトとチェックインの間の昼間の無人の時間帯に入浴シーンを撮影するのだから。

ひとりになった私は、すぐに部屋でワンピースを脱ぎ、下着も取り去った。

暖房の温度に肌をしばらくなじませたあと、備え付けの浴衣をクローゼットから取り出した。

素人にはできない五角形結びの帯にはいつも感心する。

その帯を解いたときに、ノックの音がした。

私はとっさに「もう脱いでます」と応えた。

(あとで知ったが、用意周到なパンフレットと説明に慣れた番頭さんのおかげで、10分ぐらいで取材が終わったのだということだった)

浴衣を着る時間はわずかだから、ここで松田さんを待たせてもよかったが、

どうせ裸を見られるのだから、それは意味がないことで、

だから、「脱いでますけど、どうぞ」と続けて言ってしまった。

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