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ヌードモデルの思い出の温泉

第1章 もう一度、旅行


懐かしい玄関──

カメラマンの運転するレンタカーで到着したのは、私が初めて彼に抱かれた旅館だった。

取材したい旅館を決めて関西から遠征してきたカメラマンが、地元で採用したモデルが私なのだから、

行ったことのある温泉場に当たる確率は高かったのだが、
まさかのその宿になるとは。

こういう商売の人は客の顔をいつまでも忘れないというけど──


通された部屋さすがにあの時とは違っていて、安堵した。

カメラマンの松田さんは、機材を部屋に置くと、すぐに帳場に戻った。

ガイド本として、泉質のデータとか、貸切りにできるか、食事は部屋出しか、などを詳しく聞き取る必要があるからだ。

松田さんの印象は、とにかく普通の人。

ドライブ中の軽い雑談も、下ネタは一切混じらなかった。

いつも真面目に取材しているのだろう。

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