不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第27章 玉砕
待ち合わせの神社に到着すると、他にも数人の同級生が集まっている。
中でも、淡いピンク色の浴衣を着た綾香ちゃんがキラキラと輝いて見えた。
「うわ、綾香ちゃん、攻めた浴衣だねぇ~!」
離れたところからアンナが言い、私も「うん、可愛いねぇ~」と答え皆のもとに駆け寄った。
「それじゃ、行きますか~!ちっちゃい花火大会だからゆったり見れるはず!」
平野が言うと、10数名の私たちはズラズラと歩き始めた。
すぐさまコウヘイくんが私とアンナの元に寄ってきて、あれやこれやとお喋りを始める。
近くにはしっかり綾香ちゃんもついていた。
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やがて花火が上がり始めると、全員で芝生の上に座って空を見上げる。
私は時折、花火で明るく照らされる瀬川くんの横顔を盗み見していた。
露天でいろいろ買い込んだ平野が私たちの近くに座り、アンナが食いつく。
やがて話は平野の恋愛事情になり、しょっぱなから平野は
「俺ね~…自然消滅?たぶん確定だわ」
と自虐的に笑いながら缶ビールを口に含んだ。
「マジ?」
瀬川くんが問う。
「おう…。もうずっと連絡返ってこないし、あんまりしつこくもしたくねーじゃん?きっと夫婦で仲良くやってんだよ」
一瞬せつない表情をした平野は、話題を切り替えるように言った。
「アンナちゃんはどうなの?年下の彼とさっ」
…今その話題は……、
心配になりつつ、私はそっとアンナに視線をやった。
平野が買ってきたフランクフルトやタコ焼きを頬張りながら、アンナはどうってことないような口調で答える。
「んー?私?…距離おいてんの」
「え、マジで?すげえ愛されてそうなイメージだったけど」
「うーん。どうかな。色々あるのよ私もっ!彼、若いし。って言うとミライはさ、モテないおっさんを私にすすめるんだよ?!(笑)」
「ま、若くてモテるやつはロクな奴いねーよ?」
平野の一言に、一同は「ひがみじゃーん(笑)」と声を上げ盛り上がった。