不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第11章 キケンな夜
週末、2軒目や3軒目で来る客で店内が少し混み合ってきた。
男たちは相変わらずなにかを喋っていて、時折こちらを見て微笑んだ。
「ミライ~…」
「なあに?」
「戻ってこないね、2人」
「そうだねぇ…」
「お酒なくなっちゃったよう」
「私も終わっちゃう。なにか注文してこようか。ここで待ってて、混んできたから席とっとかないと」
「うん、分かった!私、またこんな感じのカクテルがいいな」
「OK!行ってくるね」
私はソファから立ち上がると2人のもとへ行き、2人はそれに気付くと「ごめんね、待たせて」とミノルくんが言った。
瀬川くんは片手を少し上げると私の腰に触れ、軽く引き寄せた。
「お酒、なくなっちゃったから来たの」
「おお、いくねぇ~。あいつ、なに飲むって?俺持っていくわ」
カクテルをふたつ注文し、その片方を持ってミノルくんは奈美のもとへ向かっていった。
「ずいぶん話し込んでたね?」
「あぁ、仕事の話やら色々な(笑)」
「内緒話も、した…?」
私がいじわるな質問をすると彼はクスッと笑って、
「…したよ」と耳元で囁いた。
吐息が耳たぶに当たり、強いお酒のせいかいつもより自分が敏感になっている事に気付く。
「私がチビだって話とか?」
「ハハッ!それは言わなくてもみんな知ってる(笑)」
「んもう~~!!」
私がじゃれつくと足元がもつれ、とっさに瀬川くんが支えてくれる。
胸元に当たる瀬川くんのたくましい腕が、さらに私を焦らす。
「っ…、お前、あぶない」
妙に色っぽく感じる瀬川くんの声に、我慢できない私は太ももをすり寄せて甘えた。
「んん~ん…」
「どうした。甘えたくなった?」
瀬川くんは優しく微笑む。
「…ん。」私が頷くと、「やけに素直じゃん」と笑って私の腕を引いた。
奈美たちの元へ向かうと、2人は結構な近距離で隣同士に座って談笑している。
「おっ、来た来た」
私たちに気付くとミノルくんが言った。
2人が座っている向かいのソファに瀬川くんと座ると、奈美も「待ってたよお」と楽しそうに笑っている。