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不純異性交際(下) ―それぞれの未来―

第14章 大切なスキンシップ


「うん…しばらく抱き合ってて。…こんなこと言ってごめんって、謝られた」


「うん…」


「俺は変わらないから、なんかあったときには逃げ道があると思っていつでも呼んでって…。私、甘えてしまいたくなってる自分が怖い」


「奈美…」


「あっ、旦那帰ってきたみたい。ごめんねミライ…明日また話せる?」


「もちろん。奈美、まずは落ち着いてね。それじゃ、明日」


奈美との電話を終えると、私は遅れてやって来た驚きと緊張でバタッと横になった。



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翌日、私は11時に家を出ると奈美との約束の店へ向かった。


店内に入ると、窓際の明るい席に1人で佇む奈美が片手を上げて挨拶した。


彼女は昨夜の電話の内容を確認するように話を進めると、唐突に言った。


「---それでね、昨日旦那が帰ってきてから言ったの。キャンプもう少し減らせない?って」


「言ったんだね!うん、それで…?」


「最終的には”分かった”って言ってたけど、不服そうな感じ。これから週末どうなるかな」


「そっかぁ…とりあえず旦那さんのことは、様子見だね。他に不満は特にないんでしょう?」


「ん…」


「あるの?」


「この際だからもう言っちゃうね…。旦那がキャンプにハマりだしてから…その…してなくて。子供は作らないにしても、スキンシップとして…ねぇ?」


気持ち、分かるよね?と言わんばかりの表情で奈美が言う。


「まぁ、うん…わかる。私もずっと、フミとセックスレスだったよ。身体的なつらさより、精神面のほうが結構しんどいよね」


「そう。そうなの…。まぁ、キャンプが減ればまた元に戻るかもしれないし、これも様子見かなぁ…」



「大事だね、セックスは…」


奈美は私の言葉が周りの客に聞こえやしないかと確認する。



「でもさ…それだけで離婚って、やっぱり…変だよね?」


「どうして?」


「だってぇ…」


「私は、今だから言えるけど全然ありだと思う…。セックスだけが無くて、他は円満ですっていう状況が私には分からないだけかもしれないけど」


「どういう事?」



「だからつまりね、円満ならセックスもあるんじゃない?って、どうしても思っちゃうの。”セックスはないけど、夫婦仲も良いし子育ても順調です”って、正直なんか違和感」



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