不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第14章 大切なスキンシップ
その夜、瀬川くんから電話がきた。
奈美と会ってきた事を伝えると、「ミノルがなんかしたって?」と心配している。
「ううん、何も。でも、気持ちは伝えたみたいだよ」
「そっか…あいつ、彼女が独り身になるまでは手出さないって言い切ってたから。守ったんだな(笑)」
「瀬川くんは私を抱いた(笑)」
「…それは、ごめん」
瀬川くんは苦笑しながら謝った。
「違うの、冗談だよぉ。謝ってほしくない。それに…あのとき私、覚悟した上で瀬川くんのところに行ったんだもん」
「ふふっ。どんな覚悟か知りたい」
「どんなって…もうっ」
「俺、”来れば”ってちょっと乱暴に言ったから…そのあとで、このまま連絡なかったら嫌だなって後悔した。そしたらお前が本当に来てくれて」
「そうなの?私は、行くっていう一択しかなかったけどね」
「…今思い返しても、あのときお前を抱かないでやり過ごすのは無理だろって思う。ミノルの話したあとで俺の情けなさが際立つわ…」
「アハハ。私なんて、…やっぱやめる」
「なんだよ、言え(笑)」
「…引かない?」
「うん」
「同窓会で会う前から、瀬川くんのこと考えてて…」
「うん?」
「自分でしたことあるの。……あぁもう、やっぱり言わなきゃ良かったー!恥ずかしいっ」
受話器の向こうで瀬川くんはクスッと笑った。
「それは俺にとっては光栄な話だな。で、実際にしてみてガッカリした?(笑)」
「そんなわけないでしょおっ?分かってるくせにぃ…」
「俺のこと考えて気持ちよくなったあとで、同窓会来たんだ?」
「う、うん…」
こういう話をしているときの、瀬川くんの甘い声が私は大好きだ…。
「そしたら帰りに俺にキスされちゃったね」
「そう…」
「どう思ったの?」
「んん…気持ちよくて、…もっともっとチュウしたいって…思った」
「お前、腰抜かしたもんな(笑)」
「それはっ…、だって瀬川くんのチュウがいやらしいから」
「ふふっ。正直俺も、理性ぶっ飛びそうだったよ…本当。あの上目使いは、俺以外にはマジで禁止な(笑)」
「違うの、もっとしてって意味で見ただけだよぅ!」
「それが駄目なんだっての(笑)」