不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第14章 大切なスキンシップ
ふと私は今日奈美と話した、”セックスレスは離婚の原因として成り立つのか?”という話を思いだした。
「ねぇ、瀬川くん…」
「ん?」
「私とえっちしたい?」
「なんだよ、急に。そりゃあもう、猛烈にしたいけど?」
「ん…」
「どうした?」
「もしその…したい、って気持ちが無くなったら、カップルや夫婦ってどうなっていくのかな」
「老後とかじゃなく?」
「うん。若いうちに」
「…どうだろうな。なに、心配なの?」
「う、うん…」
「中学時代の恋を30過ぎても忘れられない哀れな男の執着心と性欲、知らんだろ」
瀬川くんが真面目なトーンで言うので私はつい笑ってしまう。
「いや、それはまぁ冗談だとしても…俺は、許されるならこれからも何度でもお前としたいよ」
「本当?」
「うん。ヨボヨボになって勃たなくなったら…その時は別のスキンシップ、一緒に考えて(笑)」
今日も私は瀬川くんの完璧なフォローによって、少しもモヤモヤがない状態で電話を終えた。
性のことでフミに嘲笑われていたあの頃が、もう遠い過去のように思えた。
布団に入っても瀬川くんの甘い声が頭から離れず、私は久しぶりに自分を慰めた。
彼の姿や声を思い浮かべるだけで、私の下半身は貪欲に求め、潤った。
今までだったら果てたあと必ずと言っていいほど虚しくなったけれど、今夜は満ち足りた思いで眠りについた。
昨日まで一緒にいたのに、瀬川くんの夢を見られますように…と願うほど、私は彼に恋をしていた。