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不純異性交際(下) ―それぞれの未来―

第15章 同級会の知らせ


翌日、久しぶりに同級生の大型トークルームに平野からメッセージが入った。

飲み会の知らせだ。


いつもどおり、バラ組のトークルームも[飲み会行く~?]という話題に変わっていた。


アンナは参加すると言っているが、こんな状況のためか奈美からの発言はまだ無かった。



今週末、瀬川くんは帰ってくるだろうか。


私は昨夜の[おやすみ]というやりとりで終わっている彼とのトークルームにメッセージを送った。


仕事に行く前に確認してくれたようで、返事はすぐに来た。


[俺、今週は帰れそうもない。なるべく帰るって言ったのにごめんな。PRイベントがまた夏にあって、その会議で]


私は飲み会に対してはなんとも思わなかったけれど、今週は瀬川くんに会えないという事に少しへこんだ。


[そっかぁ!それなら仕方ないね]


[それで校長がさ、またお前にデザイン頼む気でいるんだ。だから来週の平日、こっちに来れる日ある?]



私は嬉しくなってすぐに返事をした。


月曜日に行く約束をして、瀬川くんは仕事へ行った。



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パソコンで仕事に集中していると、奈美からの着信でビクッとする。


「もしもし、奈美?」


「うん…ねぇミライ、飲み会行く?」


私はなんとなく予想していた展開に落ち着いていた。


「瀬川くん、今週は帰ってこれないの。だから不参加かな…」


「そうなんだ」


「奈美はどうするの?」


「んー…アンナも紗奈もケイも来れるなんて滅多に無いから、行きたいけど…」


「えっ?みんな来れるの?」


「そうだよぉ、さっきメッセージが入ってたよ」


仕事に没頭していて気が付かなかったんだ。



「見てなかった…!みんな来れるなんてそれは確かに、レアだね」


私は途端に飲み会へ行きたい気持ちが強くなった。



「でもミノルとあんな事があったから、どうしようって。ミライ、本当に来ない?」


「うーん…ちょっと、瀬川くんに相談してみる。黙って行くのもなんか、あれだから」


「そうだよね。うん」


「私が行くことになったら、バラ組で来ないのは奈美だけになるね(笑)」


「んもう、意地悪いわないでよぉ」


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