不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第15章 同級会の知らせ
私はその夜、瀬川くんに電話をかけた。
バラ組がもしかしたら全員集まるかもしれないことを告げると、瀬川くんは案外快く
「それじゃ、お前も行かなきゃな」
と言った。
「でも、瀬川くんはいないんだよね」
「たまには全員で集まりたいって、お前言ってたろ?楽しんでこいよ」
「…じゃあ、行ってこようかな。ね、心配?」
「ふふっ。ほぼ心配してないけど…平野もいるしな。問題はコウヘイだな」
冗談半分で瀬川くんは言う。
「大丈夫だよぉ、バラ組みんないるし」
「そうだな。でもなんかあったらすぐ連絡な」
「うん!」
飲み会に参加することをバラ組のトークルームに送ると、”あとは奈美だ”という話題で持ちきりになる。
きっと悩んでいるのだろう。
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翌日、またもや奈美から電話が来た。
やはりミノルくんが来るのかどうかが気になっていて、話の流れで私が平野に”ミノルくんが来るのかどうか”を確認することになってしまった。
いい歳をして女子中学生かのようなこの展開にちょっと気が引けるけれど、大事な親友のためだ。
私は平野に[ちょっと良いかな?]とメッセージを送ると、少しして電話がかかってきた。
「ミライちゃん、久しぶり!瀬川から聞いてるよ。新生活はどう?」
「う、うん。なかなか楽しんでる(笑)」
「アハハ!…そうだ、今度の飲み会、来てくれるんだね!バラ組さんは全員…かな?」
「まだ確定はしてないんだけど、そうなったらいいなって」
「久しぶりに集まったところ見れるの楽しみだな。アンナちゃんの酔拳は怖いけど(笑)」
「ふふっ(笑)…あの…今度の飲み会、何人ぐらい集まりそうなの?」
なるべく平然を装って聞く。
「今回はね、多いよ~。今のところ40人以上は決まってる!」
「えぇ!すごいね!」
なかなか”ミノルくん”という名前を出せずに適当な話をしたあと、私は思いついて言った。
「そういえばね、こないだ瀬川くんと、奈美とミノルくんで飲みに行ったんだよぉ」
「おっ、いいねぇ。Wデートじゃん(笑)」
「ふふっ。楽しかった。ミノルくん、飲み会来るかな?」
そこそこ自然に話を切り出せた。