不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第15章 同級会の知らせ
「あぁ、ミノルは多分来れないねぇ…子供が、ね」
「そ、そっかぁ…週末連続で飲みに行くのは、確かに難しいよね」
電話を終えると奈美にそれを伝え、少し残念そうにも見えたが結局奈美も飲み会に参加する事になった。
色々あるけれど、バラ組が5人全員で集まれることが嬉しくて私は浮かれた。
数日後にせまった飲み会だったが、瀬川くんが来られないので私は”何着ていこう”などという思いが抜け落ち、ただただその日を楽しみに待っていた。
私たちはトークルームで”バラ組のドレスコードを決めよう”という事になり、[トップスは赤]と決まった。
少女の頃のようにはしゃぐ私たちは、傍目から見たらイタイ中年かもしれない。
…まぁ、それでも良いか。
飲み会の前に5人でアップルに行く約束をして、久しぶりに全員で行ったらマスターは喜ぶだろうなぁ…と思いを
馳せて眠りについた。
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いつもどおりの変わらない平日を過ごし、同級会のある土曜日がやって来た。
梅雨入り間近の空模様はどんよりとしていたが、そんな事はおかまいなしで私の心は躍っていた。
昼過ぎに突然アンナがうちにやってきて、私は部屋着のままで迎え入れた。
「アンナ、お昼食べたの?」
「いやぁ、まだ!」
「なんか作ろっかね…」
私は冷蔵庫をあさる。
「ミライの手料理、久しぶりだぁ!早めに来た甲斐があった(笑)」
「そんなたいしたものは作れないよぉ?いきなり来るんだもん(笑)」
結局、買ってあったカッペリーニを茹でて冷製パスタを作った。
「おいし~い!さすがミライ!」
「…ほぼパスタ茹でただけだけどね(笑)」
「夏を先取りって感じ。あぁ、早く夏にならないかなぁ!」
太陽のように明るいアンナには、夏がよく似合う。
「海とか夏祭りとか、しばらく行ってないなぁ。今年は行きたいね」
「うん、行こう行こう!」
食事を終えて紅茶を飲みながら、私は何気なく尋ねた。
「彼とはどう?うまくやってる?」
言ってから、そういえば今日はアンナのほうから彼の話題を出してきていない事に気付いた。