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不純異性交際(下) ―それぞれの未来―

第2章 離別


「うん…別れよう」

ボールペンをフミに渡す。


ジッと離婚届を見つめていたフミは、突然両手で頭をかきむしる。内心おどろきながらその様子を見ていると、


「…分かった」と言って記入を始めた。




---書き終わると用紙を手渡され、私は不備がないか念のため確認をした。



「家はどうすんの?」


「私は明日にでもアパートの鍵をもらおうと思ってるけど…フミの引越し先が決まるまで家賃半分払う」


「…いいよ、別にそんなの。俺このままここに住むかもしれないし、分かんないから」


「そう…」



私は直感で、”そんなわけない。フミはもっとせまいアパートに引越すだろう”と思ったが、それ以上は突っ込まなかった。



それからいろいろな取り決めをした。


まず共同の銀行口座は週明けに私が解約しに行き、半額をフミに振り込む。


家族用のクレジットカードはその場で、名義人であるフミに返した。


家具は仕事部屋で使っていた小さなテーブルだけ欲しいと伝え、家電は洗濯機だけ私が持っていく事になった。



話し合いが終わった頃、時刻は20時をまわっていた。



バラ組のトークルームでは心配しているみんなから、「大丈夫?」「車出すよ!」「いつでも泊まりに来てね」などとメッセージが入っていた。



思ったより淡々と話し合いが終わったことに若干の虚無感を感じながらも、

「みんなありがとね。話し合い終わったよ」

と返信を入れた。



フミはシャワーを浴びに行き、私は最後の食器洗いをしていた。


こんな事になってしまったけれど、私たちは出会い、しっかり恋愛をして、そして結婚した。


それは消えない事実で、楽しかったこともたくさんあった。


涙も出ないが、胸には少しの苦しさを感じる。



入籍するかしないかの頃、幸せになれると信じて疑わなかった。それから5年ちょっと経ち、まさか離婚するなんて…、あの頃は思ってもみなかった。

それはきっとフミも同じだろう。



食器を洗い終わり、手持ち無沙汰で意味もなくウロウロしているとケータイが鳴った。



「もしもし、アンナ?」

「ミライ~!大丈夫?泣いてない?」


「泣いてないよ。ありがと(笑)」


「今フミさんと一緒なの?」


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