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不純異性交際(下) ―それぞれの未来―

第19章 不可解なコウヘイくんの心理


ミノルくんは奈美を迎えに来たと誰かに知られる事を少しも気にしていないようだった。


ドアを開けるとまずは平野がこちらに気付き、「?!あれぇ?来たんだ!」と言うと全員がこちらを見た。


奈美はミノルくんの姿を確認するとハッとし、固まっている。


「飲んでく~?」という平野の問いに、瀬川くんもミノルくんも首を振った。



「アンナ、そろそろ帰ろう?瀬川くんが送ってくれるから」


「えぇ~もう帰るのぉ?まだテキーラ飲んでないぞお(笑)」


「それはまた今度ね(笑)」


アンナを支えて立ち上がると、「じゃ、行くか」と瀬川くんが言った。


奈美が立ち上がらないので見ると、「おい、行くぞ~」とミノルくんが呼ぶ。


「あっ…う、うん!」


急に慌ただしく動き出し、奈美もこちらへやって来た。



「じゃあ、みんなお疲れ様。またね」


みんなが手を振る中、コウヘイくんはつまらなそうな顔で私の目を見ていた。



2台停まっている車の前まで行くと、奈美たちのほうから「遅くなってごめんな」「子供が全然寝なくて」という言葉が切れ切れに聞こえてきた。


2人と挨拶を交わすとそれぞれ車に乗り込み、私はべったりとくっつくアンナと一緒に後部座席に乗った。



車が走り出すと、酔った口調でアンナが言う。


「ねえ、なんで、ミノルくん来たの??」


「えっ…と、奈美を迎えに来た…のかな?」


「あの2人ってそういう感じなのお?」


「そういう感じって?」


「だからぁっ…デキてるの?ってこと」


「変な関係じゃないよ。仲が良いんだよ」


「…ふ~ん。いいねえ、なんか」


「アンナだって彼がいるでしょう」


「今日、ヤツも飲み会だから。はぁ…」


私はアンナの背中をさすり、どうか彼女の恋路がうまくいくように…と祈った。


アンナを部屋まで送り届け、車に戻ると瀬川くんが内側から助手席のドアをあけてくれる。


「大丈夫だった?」


「うん、相当眠そうだからそのまま寝たと思う(笑)」


「ふふっ、また結構飲んでそうだったな」


「ね、瀬川くん。まさか来てくれるなんて。…ありがとう」


「ん。勝手に来ただけ。コウヘイには気が抜けんしな(笑)」


ふと、今日のコウヘイくんの言動を思い返した。


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