不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第19章 不可解なコウヘイくんの心理
日曜日の朝、私は久しぶりの眩しい朝日で目が覚めた。
隣で眠る瀬川くんを起こさないように携帯を確認すると、バラ組のトークルームや他にもいくつかのメッセージが入っている。
”楽しかったね!”というバラ組のトークルームを覗いたあとで、私はアンナのメッセージを確認した。
[あいつ、連絡取れない]
[やっぱりもうダメなのかな]
届いた時刻は真夜中の2時頃で、送り届けた時はすごく眠そうだったのにアンナは彼からの連絡を待っていたのだろう。
[おはよう。ごめんね、寝てた…。あれから連絡はあった?]
アンナに返信を送り、次のメッセージを確認しようとして私は一瞬固まった。
コウヘイくんから初めてのメッセージが届いているのだ。
同級生のグループに入っているので連絡先は分かるだろうが、個人的に連絡が来たのは初めてだった。
なんだか躊躇してしまったが、私はそのメッセージをひらいた。
[ミライちゃん、今日はお疲れ様。楽しかった!また飲もうね!]
内容こそおかしくはないものの、なぜ今になって…?という気持ちが否めない。
ただの同級生ならば普通に返信するが、相手はコウヘイくん…。
私は一旦時間をおくことにした。
「ん…おはよ」
今起きたらしい瀬川くんに声をかけられ、私はサッと携帯を置いた。
「おはよう。昨日はお迎え、本当にありがとうね」
「いいって。それより今日お前、仕事あるの?」
「ちょっと作業はしなきゃだけど…出かける予定はないよ。どうして?」
「明日、打ち合わせでうちの学校来るだろ。だから今日は俺のアパート泊まるかなって」
「うんっ!行く~!」
瀬川くんのアパートに行くのは久しぶりだ。
私はウキウキしながら下着や洋服の準備を始めた。
「まだ朝だぞ?気が早いな(笑)」
「ふふっ。いいの。久しぶりだなぁ、瀬川くんち。あっ、コンタクトが切れそうだぁ…」
私は残り少なくなったワンデーコンタクトを手に取る。
「…前から思ってたけどさ、必要なもん俺んちに置いとけば…楽だと思うんだけど」
少し恥ずかしそうな瀬川くんの言っている意味を理解すると、私は彼に飛びついた。