不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第20章 瀬川くんの憤り
お互い違う作業を始めてほんの5分ほど経った頃、私はなぜか無性にコウヘイくんのメッセージの事が気になりだした。
そっと携帯を確認すると、”無視しないで”のあとにはさすがにメッセージは入っていない。
数分悩んでから、
[こないだの同級会はお疲れさまでした!楽しかったね。またみんなで集まろう]
と、無難な返事を送った。
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台所で夕食の用意をしながら、”酔ってないお前としたい”という瀬川くんの言葉を思い返した。
一緒にお酒を飲むことが多いけれど、今日はご飯を炊いてハンバーグを作った。
そろいの箸置きとコースターを使って夕食を楽しみ、食後のコーヒーを淹れると、瀬川くんは「はぁ~っ…」と大きく息を吐いて目を閉じた。
「どうしたの?」
「ん…いや、ホッとするな~って(笑)」
「ふふっ」
「やっぱお前1人で飲み会行かせると、正直余裕ない」
「うぅ…信用されてない?」
「そうじゃなくて、俺の問題」
「…んっ…」
瀬川くんの舌によって、口の中にコーヒーの苦味が広がる。
彼は洋服にするりと手を入れると乳房を優しく包み込み、やがてブラジャーのホックをいとも簡単に外した。
「んん…なんか、慣れた手付きぃ…」
「お前のこと何回抱いたと思ってんの(笑)」
…もう、何回抱かれただろう。
初めてのあの日から…私は今も変わらず、瀬川くんの手や、指や、視線や、その愛撫にとろけ、涎を垂らして欲しがるのだった。
私の気持ちいいトコロを完全に熟知している彼は、いつも気が狂いそうなほどの快感をくれる。
この日も彼の熱い肉棒をやっと与えられると、私は頭が真っ白になるほど奥まで深く突かれ、よがった。
自分がこんなにもセックスが好きで、セックスとはこんなにも心満たされるものだと、この歳になって…瀬川くんに抱かれるようになって、初めて知った。