不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第25章 仲間はずれはイヤ!
楽しかったあじさい旅行も終わり、瀬川くんの誕生日には夜な夜なテレビ電話でお祝いした。
日常が戻ってくると、夏に向けてのセールやキャンペーンによる仕事でそれなりに忙しくなった。
7月に入り、私は家の中でキャミソール一枚で仕事をしていた。
「暑い……」
なるべく使わないようにしていたエアコンを付け、少し休もうとベッドに倒れ込む。
バラ組のトークルームを見ると、夏祭りの話題で盛り上がった後は特になにも起こっていない。
今回もアンナと私以外は参加するかどうか保留で、それぞれ子育てや仕事に忙しいようだった。
少ししてアンナから電話が入り、私は寝転がったまま通話ボタンを押した。
「もしもし?」
「あ、ミライ~。ねぇ、奈美のとこ行かない?髪染めたいんだよぉ~」
「また突然だね(笑)うん、私も髪切りたいし行こっか。いつ?」
「明日ひま?奈美には言ってあるの。ミライにも声かけてみる~って。午前中!」
2人に会うのは、前回バラ組で赤色のトップスを揃えた同窓会以来、1ヶ月半ぶりだ。
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翌日、目が覚めると私はすぐにシャワーを浴びた。
それから朝食にトーストをかじっていると、インターホンが鳴った。アンナだろう。
---ガチャッ
「やっほ~~ん!」
「早いね。朝ごはん食べたの?」
「食べてない!」
「即答ね(笑)トースト焼いたげる」
アンナはわーい、と言いながら部屋に入ってくるなり、棚に飾ってある写真立てをニヤニヤと眺めた。
「うわぁ、ラブラブ!!」
「なによぉ、からかわないで(笑)」
「からかってないよぉ~!嬉しいんだよ~!」
「ふふっ。先月鎌倉に、あじさい見に行ったの。綺麗だったよ」
アンナにトーストと目玉焼きを用意すると、彼女はいくつか種類のあるジャムを楽しげに選んでいる。
ちぎったレタスにドレッシングをかけてテーブルに置くと、「野菜食べたかったの~!いただきまーす!」と嬉しそうに頬張った。
「ねぇアンナ、しっかりごはん食べなきゃダメだって言ったじゃん」
「だってぇ、料理めんどくさいから…コンビニばっかり。お弁当だと野菜少ないし、飢えてた~~」
「レタス買ってくればちぎるだけだよ」
「うぅん…そうなんだけど」