不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第25章 仲間はずれはイヤ!
「もしかして奈美の秘密知ってるとか?」
「そういうわけじゃ…(笑)」
「ふぅ~ん、私だけ仲間はずれってわけ。ひどいよぉ!」
アンナが大好きなナポリタンに手もつけずに嘆く。
奈美は私に目配せしたあと、観念したように話し始めた。
…
ミノルくんとの出来事や心情を話し終える頃、ちょうどパスタを食べ終わり食後の紅茶が3つ運ばれてきた。
「…なるほどね。じゃあ、実際なにかしちゃったわけでもないんだ?」
「うん、そう…」
「それで旦那さんとは今はどうなの?」
私も気になる話題になり、奈美を見た。
「相変わらずキャンプばっかりだよ、週末は。それで結局しょっちゅうミノルと、子供たちと遊んでる…」
「離婚…とかそういうとこまで考えてるの?」
「今は…あんまり深く考えないようにしてて。逃げてるのかな…」
紅茶だけになってから1時間も話し続け、私たちは店を後にした。
奈美を送ると、アンナは私のアパートに向かって車を走らせながら言った。
「夏祭り、楽しみだね~!」
「ね。でもアンナ、あんまり彼のことほうっておいて大丈夫?」
「うぅん…なるようになる…きっと。今会ったりしても…結局なにも解決しないまま、またグダグダになっちゃいそうで。あの人とやっていくのか、別れるのか、ちゃんと自分で決めたいの」
「そっか…」
2週間後にせまった夏祭りを楽しみに、アンナと別れた。
…
翌日、久しぶりにコウヘイくんからメッセージが届いた。
[ミライちゃん!夏祭り、もちろん来るよね~?^^]
今回は瀬川くんも一緒だし…と、私はいたって普通に返事を送った。
一体何なんだろう…コウヘイくんの考えていることが分からず、また頭がもやもやする。
振り切るように、もうすぐ瀬川くんの勤める中学校で開催される誘致イベントのデザインの仕上げに取り掛かった。