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不純異性交際(下) ―それぞれの未来―

第26章 前夜祭


明日は楽しみにしていた夏祭り。


浴衣を新調しようと、アンナと一緒にリーズナブルな呉服店に訪れていた。


「30過ぎて、浴衣買うって思ってなかったなぁ。どんなのが良いんだろう…?」


たくさん並んでいる浴衣を見るともなしにペラペラと眺めながらアンナは言う。


「うぅん、アンナは明るい色が似合いそうだよね。赤とか黄色とか」


「そーお?ミライは…あっ、これなんか合いそう~!」


白地に紫色の百合が咲き乱れたデザインの浴衣を、私も一目で気に入った。


「うん、それ…良いかも!」


店員さんに進められ肩を通すと、やっぱりなんともしっくり来た。


「私、これにしようかな。アンナのも選ぼう!」


「ミライ、決めるの早っ(笑)私はこれと、これと…あとこれも気になるなぁ~」


アンナが3枚の浴衣を持ってくると、どれがいい?というようにひとつずつ胸に当てて見せる。


赤系と黄色系で迷ったが、結局白地に大きな黄色の花がプリントされている浴衣に決まった。


「アンナらしくてすごく良いよ」


「ホント?なんだか白地同士、おそろいみたいだねぇ~!」



車に乗り込み、私のアパートで向かう。


「今日、ご飯どうする?何食べたい?」


「私最近ワインばっかり飲んでるの。ミライのお料理にワイン…いいねぇ!」


「へぇ、ワインかぁ、じゃあ今日はお肉を食べましょっか」


「わーい」





買い物を済ませてアパートに帰ると時間は夕方5時。



「ちょうど良い時間!アンナ、手伝ってね(笑)」


「私に出来ることあるのかな…(笑)」


2人で肩を並べ、ぎゃあぎゃあと料理を進めていく。


テーブルにはチーズの盛り合わせ、生ハム、タコのカルパッチョ、そしてローストビーフが順に並んだ。


「わぁ、お店みたいじゃない?テンションあがるぅ~」


「ふふっ、アンナいつも反応が良いから、作り甲斐があるなぁ(笑)」


乾杯をして少し経った頃、瀬川くんからメッセージが入った。


[ただいま。プール掃除があって遅くなった。明日は何時に迎え行こうか?]


私はアンナが泊まりに来ている事を告げるメッセージを打ちながら聞いた。


「ねぇ、明日って何時に行く?」


「えっとぉ…平野は17時に神社の鳥居って言ってたよね」


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