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不純異性交際(下) ―それぞれの未来―

第26章 前夜祭


16時に迎えに来てほしいことも付け加えると、送信ボタンを押した。


「明日、瀬川くん迎えに来てくれるから一緒に行こうね」


「やっぱり瀬川くんはミライにどこまでも優しいねぇ。くぅーっ、うらやましい!」


「もう(笑)」


「そういえば浴衣の帯って、どんなのがあるの?」


私はおばあちゃんが舞踊の先生という事で、実家にはたくさんの着物と帯がある。


それをアンナにも貸すため、いくつかピックアップして用意してあったのだった。



「えっとね、5~6本は持ってきてみたよ。浴衣が決まってなかったからねぇ」


ガザゴソと紙袋から帯を取り出していくと、アンナはキラキラした笑顔でそれに触れる。


互いに帯を選び終えると、私は言った。


「アンナはさ…」


「うん?」


「やっぱり笑顔がいいよ。明るくて元気でさ。悲しんでるアンナは嫌だな~」


「なあに、突然(笑)」


「幸せになってほしいなって本当に思ってるの。おかしい?」


「ふふっ…おかしくない!幸せに…なるぞお~!」


私たちはまた乾杯して、夜な夜なおしゃべりをした。




---



目が覚めると私もアンナもカーペットで眠ってしまったらしく、少しだけ残ったおつまみが色あせていた。


「アンナ、…お~い、アンナ」


「んっ、ふぁ~~っ、んんん…」


重いまぶたを持ち上げ、アンナがあくびをする。


「ごめんね、ベッド使ってよかったんだけど…いつの間にか寝ちゃったみたい」


「私もぉ…ちょっと飲みすぎたね(笑)って、もうこんな時間なの?!久しぶりにこんなに寝たかも」


「ふふ、それは良かった」


私たちは食事を取り、順番にシャワーを浴びると、キャミソールとパンツという出で立ちでカーペットに座り込んだ。


アンナの髪をセットしている間、テレビを見ながら文句を言ったり笑ったりする彼女に微笑ましくなる。



「ごめんねミライ、やってもらってばっかで」


「いつものことでしょ(笑)はい、こんな感じでどう?こっち向いてみて」


ニコニコしながらアンナがこちらに向き直す。


「可愛い!アンナ、アップもよく似合う~!」


「ホント?大きい鏡で見てくる!」


ワクワクした足取りでアンナが洗面所に行くと、私も自分の髪をセットした。


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