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田村さんと私

第3章 公開

息子の足は早くとても追いつけなかったが、向かった先は田村家だと分かっていた


しばらく走ると、門の前で立ち止まっていた息子を見つけた

息子は紙を見ながら肩を震わせていた

私は汗を拭い、紙を奪い取った

「黒田さんへ

私達一家は引っ越し致しました。挨拶もせずにすいません。

黒田新一君に私の息子がいじめられ、どうやって復讐しようか考えあなたたち夫婦に犠牲になってもらうことにしました。

人が嫌がることをしてはいけないと、躾をしなかったあなたたちにも責任はあると思ったからです。

嘘をついた私をどうかお許しください、どうぞお元気で」

手紙を読み終え、息子を見た

「あぁ…終わりだ…もう明日から学校行けない…」

頭を抱える息子を見て、どうかこれは現実ではありませんようにと祈った。
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