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田村さんと私

第1章 訪問

ピンポーン

心なしかインターホンの音が大きく聞こえる

しばらくすると

「…はい」

「あっ、あの、黒田です、えっと今日祭りの練習でして…えっと…あの…おやすみされて」

ガチャッとドアが開いた

ドアの隙間から青白い顔をした田村さんが見えた

田村さんは疲れた表情をしながら、妖しい瞳で私をじっと見た

「良かったらどうぞ」

私を招き入れるためにドアを開けてくれた手が白くて艶かしかった

胸のどきどきが聞こえませんようにと祈りながら、玄関をくぐった

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