
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第123章 研修医
-ひなのside-
「いいか?医者がすべての命を救えるとは限らない。力が及ばないことも、取捨選択しなきゃいけないことだって、何度もある。その時に約束してほしいのは、自分を責めないこと。」
腕を組んで、仁王立ちして、真っ直ぐにわたしを見る瞳は鋭くて、けれども声は慈愛に満ちるよう。
「最善を尽くした自分を認められるようになってほしい。そのためにも、一瞬の判断を誤らないようになってほしい。今のひなちゃんみたいになってほしくないから。」
宇髄先生は、一歩わたしに近づいて、
「今日、ひなちゃんがきちんと判断できていれば、患者を救えなかったという結果は同じでも、この涙は流さなくて済んだと俺は思うからな。」
親指の腹でわたしの頬を拭う。
宇髄先生の真っ直ぐな厳しさは、宇髄先生の真っ直ぐな優しさ。
ノワールのエースである宇髄先生が、こんなわたしにこんなにも向き合って指導をしてくれること。
それがどれだけ恵まれていて幸せなことなのか。
わかるから余計に、自分が情けなくて悔しくて申し訳なくて、本当に本当にありがたいと思う。
「いいか?医者がすべての命を救えるとは限らない。力が及ばないことも、取捨選択しなきゃいけないことだって、何度もある。その時に約束してほしいのは、自分を責めないこと。」
腕を組んで、仁王立ちして、真っ直ぐにわたしを見る瞳は鋭くて、けれども声は慈愛に満ちるよう。
「最善を尽くした自分を認められるようになってほしい。そのためにも、一瞬の判断を誤らないようになってほしい。今のひなちゃんみたいになってほしくないから。」
宇髄先生は、一歩わたしに近づいて、
「今日、ひなちゃんがきちんと判断できていれば、患者を救えなかったという結果は同じでも、この涙は流さなくて済んだと俺は思うからな。」
親指の腹でわたしの頬を拭う。
宇髄先生の真っ直ぐな厳しさは、宇髄先生の真っ直ぐな優しさ。
ノワールのエースである宇髄先生が、こんなわたしにこんなにも向き合って指導をしてくれること。
それがどれだけ恵まれていて幸せなことなのか。
わかるから余計に、自分が情けなくて悔しくて申し訳なくて、本当に本当にありがたいと思う。
