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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第123章 研修医



「はい…。本当にすみませんでした…。もっと、もっともっと精進します…。」



「ん。それから、もうひとつ話があるんだが……」



「はい…。」



「今日火事のあったところ、昔住んでたんだってな。」



「えっ…?」



「五条先生から聞いてな。つらかっただろ、すまんかった。」




ドクターカーを降りた時、なんだか見覚えのある場所だと思って、それが昔住んでいた場所だということはすぐにわかった。

ノワールから少し距離はあるけれど、それほど遠くはない場所にあったなんてと少し動揺したし、両親や五条先生と暮らしていた頃の記憶は全然ないのに、消し去りたい記憶はすぐに思い出されるほどまだ残っているなんて、苦しくて悔しくて腹が立って仕方なかった。

それでも、そんなことは関係ないと仕事に集中したはずなのにミスをしたから、言い訳みたいなことは言えない。




「いえ…。確かに昔住んでいましたが、昔のことなので。別にそれはなんとも思ってないというか、わたしもそのこと忘れてて、帰って来てから思い出して、なので全然平気でした。」



「…そうか。それならいい。そしたら、今日はもう帰りなさい。身体酷使してるから、ゆっくり休むこと。いいな?」



「はい、わかりました。ありがとうございました。失礼します。」


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