
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第124章 三度(みたび)
七海「俺は麻酔に行こうと思う。」
夏樹「えっ!?」
七海「なに?」
夏樹「いや、傑は外科か内科かと思ってた…。なんで麻酔?」
七海「俺、一番になりたいんだよね。でも、外科とか内科とか、黒柱は一生かかっても超えられないと思って。でも、彼らの中に麻酔科医はいないでしょう?麻酔科なら、一番になれるかなって。いろんな科の優秀な医者と仕事ができるのも勉強になるし。それに自分でも結構器用というか、まわり見る能力あると思うんだよね。頭の回転も速い方だし。麻酔科、案外向いているんじゃないかってね。」
夏樹「なんか、自信ないんだかあるんだか…とにかく野心を秘めてることはわかったわ。」
「傑ならどこでも黒柱を超える医者になれると思うけど、でも、うん。傑、麻酔科向いてると思う。」
夏樹「まぁ、確かに。自分のことよくわかってるって感じだな。」
「で、夏樹はどうなの??」
夏樹「俺は外科かな。」
七海「やっぱり。」
夏樹「やっぱりってなんだよ。」
七海「夏樹は外科を選ぶと思ってたから。最初から外科しか興味なかったでしょ。」
夏樹「なんでだよ…そんなことねぇし。」
七海「だって、工藤先生のことめちゃくちゃ尊敬してるじゃん。なんだかんだ背中を追うんだろうなと思ったよ。」
夏樹「なっ…、それは、まぁ、その通りだけど、別に兄貴だけが理由じゃ………ひなの?もしかして心臓痛いのか…?」
