
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第125章 豪先生
「んっ…」
ピクッと眉間にシワを寄せて、さっき閉じた目を開こうとするひな。
すると、
豪「ひなちゃ〜ん?大丈夫、胸の音聴いてるからな。寝てていいよ。」
って、ひなの目元にそっと手を置いて聴診を続ける豪先生。
パニックを起こしてもおかしくないのに、一瞬でひなを落ち着かせる豪先生はすごい。
豪「心音は落ち着いてるし、モニターも安定してるけど、確かにちょっと熱いな。熱測れるか?」
言われて、藤堂先生が耳式体温計をひなの耳に。
「ん、いゃっ…」
少し耳を引っ張られたので、今度こそグズるひな。
とはいえ耳式なので、ひなが嫌と言い終わる時には検温も終わり、
藤堂「8度1分です。」
豪「思ったよりあるな…。」
藤堂「血液検査、入れてみましょうか?」
豪「うーん……いや、何も悪さはしてないと思うんだ。採血するのも可哀想だから、まだ様子見よう。夜まで下がらなければ解熱剤は入れて。」
藤堂先生の"血液検査"という言葉にピクッと反応したひなを見逃さなかった豪先生は、
豪「大丈夫。たくさん寝て、起きたらしっかり食べようね。」
ひなの頭を撫でて表情を和らげてから、病室をあとにした。
