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風に吹かれて2

第39章 アレルギー

先だっての震度6の地震では、ご心配くださった方々、大変有難うございました。
お陰様で私の暮らす地域はライフラインは無事でした。
住む家も食べ物も困らなかったです。

あれから毎日余震の無い日はありません。
在宅ワークでお客様の対応をしながら、お尻で揺れを感じる日々を過ごしております。

去年の今頃にも大きいのがドカンと2回ありましたが、その時に比べると今回は余震が多いですね。
毎晩寝てる時にも揺れを感じてます。
これが地味に気力と体力を削ぐんだよねぇ。

311の後みたいに物凄く長期化すると、イチイチ余震で不安になる状態を突き抜けるので意外と気にしなくなっていくんですが。
今のところはまだ、揺れが来ると身構えてしまいます。

今回の地震でまだ生活に不便のある方々が、一日も早く復旧することを願います。



災害もさ、被害に遭ったことが無い人は、やっぱり実感は出来ないからねぇ。
言っても仕方ない、理解してもらえない、ってのは考えてみればアレルギーと似てますね。

一本の道路を隔てたあちらとこちらで、住んでる人に何の違いもないのに、被害の差が歴然としてたりさ。
どうしてなの? と思ってしまうけどね。

黙って飲み込むしかないことは生きてりゃ他にも山ほどありますしね。



阪神淡路の時、私はまだ学生でしたが、その後パソコン通信に嵌ったので、画面上でだけやり取りする関西のお友達が沢山できました。
地震から何年も経って落ち着いた頃、関西のオフ会にも東北から参加して。
とても楽しかった良い思い出があります。

で、パソ通で知り合った関西の方々と地震のお話をしたこともありますが、皆さん一様に口が重かったのが印象的でした。
どの方も歯切れが悪かったですね。



当時は若かったし今よりもずっと未熟だったので、どうしてなんだろう? やっぱり大きな傷なんだろうな、って思うぐらいだったのですが。
311を経験して、被災者の気持ちがようやく解りました。

生き残ってしまったことの罪悪感が半端なかったからねぇ。
サバイバーズ・ギルトって言うらしいんですけど。

なんの悪いこともしていないのに無念のままに亡くなった方と、特に良いこともしていないのに無事で生き残った自分と。

違いは一体何だったのか。
隔てたものは一本の道路でしかなかったりしたのに。

311の後、随分考えました。

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