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いつか秒針のあう頃

第6章 6話 Last

「ほら、起こしてやるから。手ぇ、オレの首に回して。
 昨日の残りでカレー蕎麦にしたよ。
 それとも先に風呂入る?
 オイラ洗ってあげる。んふふ」

「…………」

ゆっくり体を引き上げてもらって半身を起こす。
そのまましばらく智くんの肩に頭を乗せてくっついてた。

ヤキモチ……ヤキモチか……。

楽しみにしてるよ、って言ってたくせに、いざ映像見たらムッとしたんだろうな。

この人は当分は現場に顔を出すこともないし、自分の知らない所で4人に何が起きてるのか、情報が入るのはどうしたって遅れる。
そりゃ、気になるよなぁ。

ヤキモチと聞いて勝手にニヤニヤしだす顔を見られないようにしながら、俺は思う。

貴方は離れ、俺は残る。
だけど。
お互いが相手を絶対に離さない、って想い合っていれば、少なくとも俺ら二人はこれからも一緒に居られるだろう。

Never let you go.

貴方を決して離さない。
俺達はお互いに、どうしようもなく惹かれ合うのだから。

「……翔ちゃん、怒ったの?」

一生懸命可愛く言ってるけど、騙されないぞ。
智くんは俺が自分に対しては本気で腹を立てたりしないって、よぉくご存知なんだから。
この先、相葉くんにヤキモチ妬く度に抱き潰されるんじゃ、俺の身が持たない。

俺は智くんの細い体を抱きしめながら、一応今後の為に、文句の代わりにチョットだけ、からかってやることにした。

なのに。

「ねぇ、ってば。怒ってる?」

怒ってる、と言うつもりで、口から出て来た言葉はお決まりのヤツ。

「……愛してる」





FIN.




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