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いつか秒針のあう頃

第3章 3話

「あ、なんか、変な感じ……ん……。
 ねぇ、触り方……あぁ……なんか前と違くない?」

「触ってるところが違うんだよ。
 いつも触ってるのはこっち」

「あっ」

体の中のシコリをピンポイントでクッと押された。
そのままリズムをつけてグッ、グッと刺激してくる。

「あ、んっ……んんっ……」

「でも、ホントに気持ちいいのはこっち」

指が伸びてシコリの更に奥をじんわりと押した。
背筋がゾクゾクする。
産毛が立つのがわかるようだ。

単に生理的な反応なのか、それとも期待でなのか。

え? 俺、何されようとしてんの?
と、頭の片隅で思うと同時に。

「入れて良い?」

智くんが雄の声で、物凄く優しく訊いてくる。
俺はそれを拒否れたことなんか、今までに一度もないんだ。

「いいよ……あんま激しくしないで」

ああ、こんなセリフ。
まるで、優しくして、って強請ってるみたい。

「大丈夫だよ、キツクしないから」

囁きで交わされる会話に、智くんのキスが続く。
ゆっくりと絡んでくる舌が執拗で息が続かない。

頭の後ろがどんどん熱くなって、二人の腹の間で密着してるお互いのものが 増々熱く、硬くなる。

若い頃みたいな性急さがなくなってきた代わりに、最近、俺達の交わいはトロリと濃度を増して。

ふにゃふにゃ可愛いばかりのこの人が雄になる時、こんなにも支配的で、それでいて甘く、毒のように痺れさせて抵抗を奪うことを知ってるのは、きっと俺だけだ。

腕枕を抜き起き上がった智くんが、柔らかく俺に言う。

「脚持って」

自分の膝を胸に寄せて、俺は腿の裏に手を添え脚を開いた。




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