
美しい影
第1章 出会い
少女の言葉が気になって引き止めてみたものの、
何のプランも浮かんでない。
お互い数秒その姿勢のまま固まってしまった。
「えーと、あのさ、キミと1日一緒にいたら、いくらになるの?」
あー、言っちまった。人生でこんなにも早くに女を買うことになるとは思わなかった。
もうちょっとおっさんになってからだと思ったんだけどなぁ。
「え?あのー、普通はいくらなんですか?」
マジかよ。この子ホントにパパ活なんてした事なかったのか。じゃあなんでこんな場所に一人でいるんだ?本当に家出をしただけなのか?
値段の逆質問という予想外の返答に俺も困ってしまう。
「…ゴメン知らない。俺もオンナ買った事ないから。とりあえず、ご飯でも食べに行こう。そのくらいは奢るから。んで後で知り合いに相場を聞いて値段を決めよう」
「はい。ふふっ、お兄さんって変な人ですね」
また人懐っこい笑顔に戻っていた。
「はは、よく言われる。けどキミも変わってると思うけどね。それに気になる事もあるんだ。余計なお世話かも知れないけど、話くらいは聞けるからさ」
そうして近くのファミレスに向かった。
