
美しい影
第2章 同棲開始
沈黙が続いていた。
不安になり、そっと顔を上げるとユカリも、ユカリママも泣いていた。
ユカリママが涙を拭いながら、
「カズくんはイイ男になったね。オバちゃんに任せなさい!ウチは旦那が3年前に亡くなって私とユカリの2人暮らしだから、亜美ちゃんも安心だと思うの。よし、そうと決まれば早い方が良い。亜美ちゃんも連れて来な」
そうして亜美を連れてお好み焼き屋に戻り、そのまま亜美はその店で住み込みで働く事になった。
その半月後には行政を交えて、親にも連絡をし、亜美は正式に住み込みで雇ってもらえるようになった。
けれど、一悶着あったようだった。
ユカリママが
「この世にあんな最低な母親がいるなんて思わなかったわ!」
と言っていたが、詳しくは聞かなかった。
ただ、俺もちょくちょく店に食べに行ったり、たまに店を手伝ったりして亜美の様子を見に行った。
亜美は基本オドオドしてはいるが、それでも一生懸命働いていた。
そんな亜美を皆んなで優しく見守った。
そして転機が訪れる。
