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美しい影

第1章 出会い



怯えの中にもどこか縋るような複雑な眼差しが気になりつつ、ライターを渡した。

「あ、どうぞ」

「すみません。あ、ありがとうございます」

大事そうにライターを受け取る女の子。

黒髪ロングの細身。

誰かに似ている。

あぁ、バイト先のポスターに出てる子に似ているんだ。
ハイボールを掲げて笑っている不思議系女優さん。

「それ、あげるよ。予備のライター持ってるから」

「え?あ、ありがとうございます」


はにかみながらも笑顔で御礼を言うその子はエクボが可愛かった。

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