
美しい影
第1章 出会い
面白い子だなと思った。
こんな時間にこんな場所によくいる女の子とは違う雰囲気。
「うん、最初は咳き込むよね」
「そうなんだ…。どうやったら咳きこまないんですか?」
クリクリとした小動物のような目で聞いてくる。
すでに最初のおどおどした感じは何処かに消えていた。
どちらかと言うと急に懐かれた感じがする。
「えーと、そう言えば何でだろうね。何回か吸ってると咳きこまなくなるんだけどね。最初は無理しなくていいんじゃない?」
「そうなんですね。ニガいし、苦しいし、つらいです」
「あはは。俺もどうしてこんなモノ、吸いはじめたんだろう。最初はカッコつけて無理してたなぁ。キミは何で吸おうと思ったの?」
