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ドSな兄と暮らしています

第2章 生活

「……これで合ってる?」

「おーう、そうそう、できるじゃん!飲み込み早いねぇ、じゃあもう1回できるか確認ね、次、この問題やってみ」

「えー、もう1問やるの? さっきのでだいぶ頭使ったよ」

1問解くだけでもこんがらがるような問題を、もう1問は億劫だった。

「大丈夫、見ててやるからやってみな。覚えてるうちに。繰り返し同じような問題何問かやれば一人でもできるようになるから」

そう言われて渋々取りかかる。兄ちゃんは、今度はあんまり口を出さない。
その代わり、集中する私の横で、シャープペンをさらさら動かして、解法のポイントをまとめていく。


「……できた!」

さっきと同じくらいの時間で、問題を解き終わる。

「そうそう、合ってるよ。やればできるじゃん。明日また同じような問題やってみて。わかんなかったら教えてあげる」

兄ちゃんはそう言うと立ち上がり、私の頭をぽんぽんと撫でる。褒められると照れくさい。


「ちょっと待っててみ」


キッチンの戸棚を開けて、何か手に持って戻ってきた。

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