ドSな兄と暮らしています
第3章 たった1人の家族
1
あぁ、この公園、懐かしいなぁ。
前住んでいた、家の近くの公園にいた。
私は、公園のベンチに腰掛けて、ふわふわした気持ちでいた。また、この場所に戻って来られたことが嬉しい。
ふと、砂場に目をやる。
あの小さい女の子は、私が仲良くしていた子だ。お砂場によく居た女の子。
もう1人、小さい女の子が、お砂場に駆けてくる。淡い水色のワンピース。
あのお洋服、私も着たことある……
あれは、小さい頃の私かな。
直ぐに、若い女の人がやってきて、名前を呼ぶ。
「汐夏、汐夏」
あの人は……お母さんだ。
もう何年もあの声で、私の名前は呼ばれていない。
とっても懐かしい気持ちが胸に満ちて、自然と涙がこぼれ落ちる。
やっぱり、お母さん、生きてたんじゃん……
汐夏と呼ばれた、水色のワンピースの子は、小さい頃の私で、笑顔でお母さんと手を繋いで、公園を出ていく。
やだ、行かないで。お母さん。
私、いっぱい話したいことがあるんだ。
「お母さん! お母さん!」
私の体は公園のベンチに縛り付けられたように、動かない。
「お母さん!!!」
私はここにいるよ。
あぁ、この公園、懐かしいなぁ。
前住んでいた、家の近くの公園にいた。
私は、公園のベンチに腰掛けて、ふわふわした気持ちでいた。また、この場所に戻って来られたことが嬉しい。
ふと、砂場に目をやる。
あの小さい女の子は、私が仲良くしていた子だ。お砂場によく居た女の子。
もう1人、小さい女の子が、お砂場に駆けてくる。淡い水色のワンピース。
あのお洋服、私も着たことある……
あれは、小さい頃の私かな。
直ぐに、若い女の人がやってきて、名前を呼ぶ。
「汐夏、汐夏」
あの人は……お母さんだ。
もう何年もあの声で、私の名前は呼ばれていない。
とっても懐かしい気持ちが胸に満ちて、自然と涙がこぼれ落ちる。
やっぱり、お母さん、生きてたんじゃん……
汐夏と呼ばれた、水色のワンピースの子は、小さい頃の私で、笑顔でお母さんと手を繋いで、公園を出ていく。
やだ、行かないで。お母さん。
私、いっぱい話したいことがあるんだ。
「お母さん! お母さん!」
私の体は公園のベンチに縛り付けられたように、動かない。
「お母さん!!!」
私はここにいるよ。