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ドSな兄と暮らしています

第3章 たった1人の家族

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早く起きたから、いつもより準備に時間をかけられるけれど、特別何か丁寧に支度をするわけでもなかった。

今日は、兄ちゃんと朝食を食べる時間もあったから、席についてご飯を食べる。
兄ちゃんは、今日も私が寝坊することを予想して、おにぎりを2つ作っていた。
けれど、今日は食卓でおにぎりを食べる。


私はコップにお茶を注ぎながら、なんとなく、今日の夢に出てきた母の、後ろ姿が忘れられなかった。



「汐夏!」



「え」

兄ちゃんに呼ばれて、私は我に返る。

どきっとして、何もわからなかった。兄ちゃんが素早く立ち上がり、布巾を持ってくる。
ようやく、状況を把握する頃には、兄ちゃんがテーブルにこぼれたお茶を拭いていた。

「あわわわわ」

「何してんの! 制服は! 濡れてない?」

「だ、大丈夫……ごめんなさい」

お茶のボトルをテーブルに置いて、兄ちゃんを見ていることしかできなかった。

「ほんとに大丈夫? なんかいつもと違うよ」

「そ、そうかな……そうだよね。生理前なのかも……」

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