ドSな兄と暮らしています
第3章 たった1人の家族
2
早く起きたから、いつもより準備に時間をかけられるけれど、特別何か丁寧に支度をするわけでもなかった。
今日は、兄ちゃんと朝食を食べる時間もあったから、席についてご飯を食べる。
兄ちゃんは、今日も私が寝坊することを予想して、おにぎりを2つ作っていた。
けれど、今日は食卓でおにぎりを食べる。
私はコップにお茶を注ぎながら、なんとなく、今日の夢に出てきた母の、後ろ姿が忘れられなかった。
「汐夏!」
「え」
兄ちゃんに呼ばれて、私は我に返る。
どきっとして、何もわからなかった。兄ちゃんが素早く立ち上がり、布巾を持ってくる。
ようやく、状況を把握する頃には、兄ちゃんがテーブルにこぼれたお茶を拭いていた。
「あわわわわ」
「何してんの! 制服は! 濡れてない?」
「だ、大丈夫……ごめんなさい」
お茶のボトルをテーブルに置いて、兄ちゃんを見ていることしかできなかった。
「ほんとに大丈夫? なんかいつもと違うよ」
「そ、そうかな……そうだよね。生理前なのかも……」
早く起きたから、いつもより準備に時間をかけられるけれど、特別何か丁寧に支度をするわけでもなかった。
今日は、兄ちゃんと朝食を食べる時間もあったから、席についてご飯を食べる。
兄ちゃんは、今日も私が寝坊することを予想して、おにぎりを2つ作っていた。
けれど、今日は食卓でおにぎりを食べる。
私はコップにお茶を注ぎながら、なんとなく、今日の夢に出てきた母の、後ろ姿が忘れられなかった。
「汐夏!」
「え」
兄ちゃんに呼ばれて、私は我に返る。
どきっとして、何もわからなかった。兄ちゃんが素早く立ち上がり、布巾を持ってくる。
ようやく、状況を把握する頃には、兄ちゃんがテーブルにこぼれたお茶を拭いていた。
「あわわわわ」
「何してんの! 制服は! 濡れてない?」
「だ、大丈夫……ごめんなさい」
お茶のボトルをテーブルに置いて、兄ちゃんを見ていることしかできなかった。
「ほんとに大丈夫? なんかいつもと違うよ」
「そ、そうかな……そうだよね。生理前なのかも……」