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ドSな兄と暮らしています

第1章 プロローグ

小学4年生の3学期のある日を境に、私の生活は一変した。

 襖の向こうでは、大人たちが話し合いをしていた。

――身寄りのなくなった私が次にどの家で暮らすようになるのかの話し合いだった。

明るい方向には進んでいないと思われるのは明確だった。

「うちは余裕ないわよ、子ども2人いるし」

「んなこと言ったら、どこの家だってそうさ」

 私は今、誰にも必要とされてないんだ。

本当に一人ぼっちになってしまったんだと、嫌でも直視させられる。

泣いて、泣いて、泣き果てたはずなのに、また涙が出てくる。

「施設に入れるのがいいんじゃないか」

男の人が乱暴に言い放った。

助けて、助けてと、写真の中の笑顔の両親に、何度も言った。


もうここにいたくない。そう願ったときだった。

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