ドSな兄と暮らしています
第5章 番外編 23時以降
わだかまりは完全に無くなって、いつもの私たちに戻っていた。
兄ちゃんに勉強を教えてもらったり、お互い、おやつやお酒を楽しんでみたり。
テレビを見ながら同じところで笑ってみたり。
「汐夏、歯磨きーー!!」
……も、いつもの事。
「しお、おやすみ」
「おやすみ、兄ちゃん」
頭まで布団を被る。
23時過ぎには布団に入って、寝息を立てる……予定だった。
いつもより眠れなくて、必要以上に寝返りを打つ。
今日は、兄ちゃんの方が先だった。
襖を隔てて、スーッ、スーッ、と規則正しい寝息が聞こえてきた。