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ドSな兄と暮らしています

第5章 番外編 23時以降

私はこっそり、眠れない夜にしていることがある。それはちょっと恥ずかしすぎて人には言えない、いわゆる、ひとりえっちというやつだ。

今日はだいぶ久しぶりだった。もう1ヶ月以上していない。
布団の中でモゾモゾ動くと、兄ちゃんのいる襖側に背中を向ける。

頭まですっぽりと毛布を被ると、ゆっくりとパジャマの裾をめくり、ブラの隙間から手を伸ばして、胸の突起を煽った。
ふー、ふーっと息を吐く。
声を出して、兄ちゃんが起きてしまったら大変だから、息だけ小さく吐き出していた。

『気持ちいい……』

右手をズボンの方へと伸ばしていった時だった。

「汐夏〜? 何してるの〜?」
「ひっ」

突然、襖の向こうから聞こえた声に、背筋が凍る。息が止まってしまいそうだった。

兄ちゃんが起き上がる音がする。
そっと襖を開が開かれる。私の布団に近づき、真後ろに座った。気配で、背後に兄ちゃんが居ることが分かる。私はモゾモゾと洋服を直して、布団の奥深くに潜り込んだ。

「ね、寝ています、いま、眠れないから、布団の中で動き回って…ました!!!」

怖すぎて敬語になるのはいつものこと。

「どんな風に動き回ってたか教えてくれる?」

「えっと、その……」

「なんか、ちょっと、いつもと違う息の音がしたんだよね」

兄ちゃんは、きっとわかっていて楽しんでいる。苦し紛れの私の言葉をどんどん追い詰める。

「呼吸法変えたら寝られるかなって……思ってまして…えぇ。」

「ふーん。じゃあ、その呼吸の仕方、俺にも教えてくれる?」

兄ちゃんは、私の被っていた布団を剥ぐ。

「ひゃ……!!」

包まるものが無くなった私は、布団の上で丸くなった。
寒いよぅ〜〜!
兄ちゃんが、添い寝するみたいに、私の後ろにピッタリとくっついた。背中全体がぽかぽかとあったかくなっていく。

「どうやってたの? 何処を触ってたの?ん?やってみ?」

耳元で囁かれて耳がボワッと熱くなる。
でも、なんか全然嫌じゃなくて、怖くもなくて、私は少し……興奮してるみたいだった。

胸の前に手をクロスさせて、ギュッと目をつむる。

「できないなら、俺はわからないから、あっち行って寝るよ」

こんなにエロい兄ちゃんは初めてなのに、また耳元で囁かれて、触って欲しいと思ってしまう。私が首をぶるぶる振ると、

「じゃあ、自分で触ってくれる?」

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