ドSな兄と暮らしています
第6章 汐夏の挑戦
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高校2年生の冬休みに入る前、本格的に進路を考える時期に差し掛かっていた。
学校で配られた「進路希望表」の紙を持ち帰り、ジーッと考えてみた。
私は何となく、1つ自分の中でやりたいことが決まっていたけれど、「これになりたいから、この進路にする」ってはっきりと紙に書くのがなんだか怖かった。
今日は、兄ちゃんが早く帰ってくる日で料理担当だから、時間はある。大いにある。
兄ちゃんに、相談してみるか……。
程なくして、スーパーのレジ袋を1つ持った兄ちゃんが帰ってくる。帰ってきて早々、「今日は鍋にするぞ〜」と料理に取り掛かる兄ちゃんに、後ろから話かけた。
「ねぇ、兄ちゃんは何で歯医者で働こうと思ったの?」
「ん? うーん……」
白菜を手際よく刻みながら、兄ちゃんは少し考えた。それから長ネギ、豆腐、油揚げ……とたくさんの具材をザクザクと切る間に考えて、私の方を向いた。
高校2年生の冬休みに入る前、本格的に進路を考える時期に差し掛かっていた。
学校で配られた「進路希望表」の紙を持ち帰り、ジーッと考えてみた。
私は何となく、1つ自分の中でやりたいことが決まっていたけれど、「これになりたいから、この進路にする」ってはっきりと紙に書くのがなんだか怖かった。
今日は、兄ちゃんが早く帰ってくる日で料理担当だから、時間はある。大いにある。
兄ちゃんに、相談してみるか……。
程なくして、スーパーのレジ袋を1つ持った兄ちゃんが帰ってくる。帰ってきて早々、「今日は鍋にするぞ〜」と料理に取り掛かる兄ちゃんに、後ろから話かけた。
「ねぇ、兄ちゃんは何で歯医者で働こうと思ったの?」
「ん? うーん……」
白菜を手際よく刻みながら、兄ちゃんは少し考えた。それから長ネギ、豆腐、油揚げ……とたくさんの具材をザクザクと切る間に考えて、私の方を向いた。