
ドSな兄と暮らしています
第6章 汐夏の挑戦
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1次試験は、いつも通りにこなすことができた。
自己採点の結果、これなら充分に、射程圏内というところの点数だった。
意外だったのは、数学の点数が、思い通りにいかなかった社会科の点数を補っていたことだった。
兄ちゃんに、その事を報告すると、少し嬉しそうだった。
「やった甲斐あったな」
兄ちゃんと二人三脚で数学をしていた時を少しだけ思い出して、なんだか少し寂しくなった。
厳しくも、達成感がいちばん感じられる日々だった。
2次試験は、面接と小論文。
今度は兄ちゃんと面接の練習にシフトしながら、1ヶ月が過ぎ、私は無事に2次試験を終えた。
