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ドSな兄と暮らしています

第6章 汐夏の挑戦

兄ちゃんは2次試験から帰ってきた私の頭をクシャクシャと撫でて、私のことを力強く抱きしめた。

「汐夏、よく頑張ったなぁ……!! 結果はとりあえず置いといて、今日はすき焼きね」

兄ちゃんは兄ちゃんで、私のことをずっと気にかけてくれていて、私と同じように開放感があるようだった。

「ありがとう〜〜! もう、犬じゃないんだからクシャクシャにしないでよ〜」

そうやって、文句を言うのは、恥ずかしいから。
本当はこうやって手放しに喜んで触ってもらえることが、心から嬉しい。
2人で大きな声で笑いながら、ちょっとだけ涙ぐんだ。もう一度ギュッと抱きしめ合う。

「兄ちゃん、ありがとう。8年間、本当にありがとう。私、兄ちゃんがいなかったら、こんなふうには生きていなかったって、絶対思える。」

私は、兄ちゃんの目を下から見上げて言った。
兄ちゃんは、驚いたように目を見開いて、私の顔を、自分の胸に押し付けた。
兄ちゃんが手で目元を拭うのが、気配だけでもわかった。

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