優しく繋がる赤い糸
第3章 1st side -Natsume-*Act.3
「君の主張は分かったよ。だからちょっと落ち着いて」
すっかり辟易してしまった夏目は、降参とばかりに両手を肩の辺りまで上げた。
「俺はただ、君のことが心配だったから例え話をしただけだ。俺は君の親御さんを説得出来るだけの力がないから……、正直、ちょっと怖いというか……」
「そんなの心配無用です」
消極的な夏目を前に、萌恵は強気な姿勢を見せた。
「だって、全然悪いことなんてしてないじゃないですか。それに、好きになったのは私ですから、私が夏目さんを唆したことになると思いますけど?」
「唆かした、って……。自分で言うような台詞じゃないだろ……」
「そんなことはどうでもいいんです」
夏目の突っ込みをものともせず、萌恵はさらに続ける。
「とにかく、私のお願いを聴いてくれるかどうか。今はそれを知りたいんです。ダメなら諦めます。――自信ないですけど……」
そこまで言われてしまうと、夏目も折れるしかない。
夏目はミックスフライ御膳に視線を落としながら考える仕草を見せ、やがて、「分かった」と頷いた。
「確かに、『わがままを言ってくれ』と君に言ったのは俺だしね。ここで君のお願いを却下してしまったら嘘吐きになってしまう」
「それじゃ……!」
「君のお願い、叶えるよ」
夏目が言うと、萌恵はみるみるうちに表情を輝かせた。
そこまで嬉しいものなのかと驚く半面、喜びも覚えた。
すっかり辟易してしまった夏目は、降参とばかりに両手を肩の辺りまで上げた。
「俺はただ、君のことが心配だったから例え話をしただけだ。俺は君の親御さんを説得出来るだけの力がないから……、正直、ちょっと怖いというか……」
「そんなの心配無用です」
消極的な夏目を前に、萌恵は強気な姿勢を見せた。
「だって、全然悪いことなんてしてないじゃないですか。それに、好きになったのは私ですから、私が夏目さんを唆したことになると思いますけど?」
「唆かした、って……。自分で言うような台詞じゃないだろ……」
「そんなことはどうでもいいんです」
夏目の突っ込みをものともせず、萌恵はさらに続ける。
「とにかく、私のお願いを聴いてくれるかどうか。今はそれを知りたいんです。ダメなら諦めます。――自信ないですけど……」
そこまで言われてしまうと、夏目も折れるしかない。
夏目はミックスフライ御膳に視線を落としながら考える仕草を見せ、やがて、「分かった」と頷いた。
「確かに、『わがままを言ってくれ』と君に言ったのは俺だしね。ここで君のお願いを却下してしまったら嘘吐きになってしまう」
「それじゃ……!」
「君のお願い、叶えるよ」
夏目が言うと、萌恵はみるみるうちに表情を輝かせた。
そこまで嬉しいものなのかと驚く半面、喜びも覚えた。