優しく繋がる赤い糸
第3章 1st side -Natsume-*Act.3
従業員がだいぶ離れて行ってから、萌恵が、「あの」と夏目を覗ってきた。
「やっぱり、ダメですか……?」
どうやら、萌恵のお願いを却下されたと思い込んだらしい。
心なしか、哀しげに顔が歪んでいる。
「いや、そんなことはないけど」
夏目はフライにソースをかけながら言った。
「ただ、夜に出歩いたりしたら君の親御さんが心配するんじゃない? 君は自宅通勤組だろ? しかも女の子だ。俺が君の親だったら、四十過ぎのオヤジと夜のデートなんて快く思わないな」
「どうしてですか?」
「どうして、って……、今言った通りだけど?」
「そんなの偏見です」
夏目の精いっぱいの配慮に対し、萌恵は真顔でキッパリと言い返す。
「だって、私はもう未成年じゃなくなるんです。確かに実家暮らしですけど、少しでも家にお金を入れてます。ちょっとずつでも貯金もしてますし、ある程度は自立しているつもりです。それなのに、どうしていちいち干渉されないといけないんですか? 恋をするのに年齢差はそんなに障害になるものですか?」
マシンガンを撃ち込むように、萌恵が夏目を容赦なく攻撃してくる。
そもそも、ここでは夏目が責められる立場じゃないのだが、うっかり親になった気分で説教じみたことを口にしてしまったから、萌恵に火を点けてしまったらしい。
「やっぱり、ダメですか……?」
どうやら、萌恵のお願いを却下されたと思い込んだらしい。
心なしか、哀しげに顔が歪んでいる。
「いや、そんなことはないけど」
夏目はフライにソースをかけながら言った。
「ただ、夜に出歩いたりしたら君の親御さんが心配するんじゃない? 君は自宅通勤組だろ? しかも女の子だ。俺が君の親だったら、四十過ぎのオヤジと夜のデートなんて快く思わないな」
「どうしてですか?」
「どうして、って……、今言った通りだけど?」
「そんなの偏見です」
夏目の精いっぱいの配慮に対し、萌恵は真顔でキッパリと言い返す。
「だって、私はもう未成年じゃなくなるんです。確かに実家暮らしですけど、少しでも家にお金を入れてます。ちょっとずつでも貯金もしてますし、ある程度は自立しているつもりです。それなのに、どうしていちいち干渉されないといけないんですか? 恋をするのに年齢差はそんなに障害になるものですか?」
マシンガンを撃ち込むように、萌恵が夏目を容赦なく攻撃してくる。
そもそも、ここでは夏目が責められる立場じゃないのだが、うっかり親になった気分で説教じみたことを口にしてしまったから、萌恵に火を点けてしまったらしい。