Melting Sweet*Extra
第5章 壊されるほどに*Act.1
静まり返ったオフィス内に、パソコンのキーボードを打つ音が響き渡る。
みんな、自分のやることをとっとと済ませ、そのまま飲み会へと流れて行った。
私にも声はかけられた。
けれど、声をかけてきた女の子は、あからさまに私には参加してほしくないという態度を見せていたから、やんわりとお断りしてあげた。
元々、行くつもりも全くなかったけれど。
誰もいなくなってからも、私はひたすらパソコンと格闘を続けていた。
無理するな、と、上司であり同期の:高遠(たかとお)君には言われたけれど、途中で投げ出すのはどうにもスッキリしない。
損な性分だと自分でも思う。
でも、シンとしているお陰で仕事がより捗る。
周りに人がいても同じように仕事はするものの、不意に適当にサボッっている子が目に付いてしまい、それだけで集中力が削がれてしまう。
そして、さり気なく注意すれば、口先では謝罪をしつつも、忌々しげに私を睨み付けてくる。
もちろん、気にならないわけじゃないけど、それをまた指摘するのも面倒だから、そこはあえて無視をしている。
「あと少し、ね……」
ポツリとひとりごちた時、カチャリ、とドアが開く音が聴こえてきた。
「お疲れ様です」
私が振り返ったのと同時に声をかけてきたのは、杉本衛也君。
彼は私の部下であり――恋人でもある。
「あら、君も飲み会に流れて行ったんじゃなかったの?」
彼を気に入っている女の子に強引に引っ張られていった経緯を知っている私は、軽く嫌味を籠めて言った。
みんな、自分のやることをとっとと済ませ、そのまま飲み会へと流れて行った。
私にも声はかけられた。
けれど、声をかけてきた女の子は、あからさまに私には参加してほしくないという態度を見せていたから、やんわりとお断りしてあげた。
元々、行くつもりも全くなかったけれど。
誰もいなくなってからも、私はひたすらパソコンと格闘を続けていた。
無理するな、と、上司であり同期の:高遠(たかとお)君には言われたけれど、途中で投げ出すのはどうにもスッキリしない。
損な性分だと自分でも思う。
でも、シンとしているお陰で仕事がより捗る。
周りに人がいても同じように仕事はするものの、不意に適当にサボッっている子が目に付いてしまい、それだけで集中力が削がれてしまう。
そして、さり気なく注意すれば、口先では謝罪をしつつも、忌々しげに私を睨み付けてくる。
もちろん、気にならないわけじゃないけど、それをまた指摘するのも面倒だから、そこはあえて無視をしている。
「あと少し、ね……」
ポツリとひとりごちた時、カチャリ、とドアが開く音が聴こえてきた。
「お疲れ様です」
私が振り返ったのと同時に声をかけてきたのは、杉本衛也君。
彼は私の部下であり――恋人でもある。
「あら、君も飲み会に流れて行ったんじゃなかったの?」
彼を気に入っている女の子に強引に引っ張られていった経緯を知っている私は、軽く嫌味を籠めて言った。