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変態ですけど、何か?

第7章 玲子先生

土曜日に、玲子との逢瀬を楽しみ、翌朝玲子先生の自宅に向かった。

別れ際に
「ずいぶん楽しそうだけど、この後は彼氏とデートでもあるの?」
と、玲子が尋ねる。

「彼氏じゃないの。学校の音楽の先生。
あたしに音楽のこと、教えてくれるの。
学校ではちょっと問題になるから、自宅で教えてくれることになったの」

あたしは隠さずに答えた。

「そう。その先生のこと、好きなのね?」

「うん。でも、土曜日の玲子との約束は絶対に守るよ」

「ありがとう。気を付けてね」

玲子はそれ以上、尋ねようとはしなかった。


快速電車で30分程でA市駅に着いた。

約束より30分ほど早目だったが、約束のファストフード店に玲子先生は来ていて、ハンバーガーを頬張っていた。

「玲子先生、こんにちわ!」

こっそり近づいて、後ろから声を掛けた。

玲子先生は驚いて振り返り、あわててハンバーガーを飲み込む。
コーラで嚥下して、ようやく声を出した。

「こんにちわ、びっくりした!ずいぶん早かったのね」

「はい。早く玲子先生に逢いたくて」

「あらあら。私ってずいぶんモテるのね?」

そう言って、コロコロと笑う。
教壇に立ってる時とは、全然違う。

いつもと違って、ドレープがかわいいピンクのシャツに、スリムなジーパン姿。
でも、どちらの玲子先生も素敵!

思っていることを、そのまま玲子先生に言うと

「あら、ありがとう。嘘でも嬉しいわ。
学校ではね、やっぱり大学卒業したばかりの、特に女性教師ってなめられるでしょ?
生徒からも、職員からも。
だから、結構気を張ってるのよ」

玲子先生は、少し本音を漏らした。

それは気がした。

他の教科の若い女教師の授業中って、男子はわざとからかったり、セクハラに近い暴言を吐く者もいる。

女の子だって、真面目に授業を聴いているのはごく一部で、
友達とおしゃべりしたり教科書に落書きをしたりと、好き勝手にしている。

でも、不思議と玲子先生の授業だけは、静かだ。

男子も、女子も、憧れの目で玲子先生を見ている。

おそらく男子は、妄想の中でで、玲子先生を犯してる。
あたしと同じように。

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